成長ホルモンについて
成長ホルモンと身長
子供の身長には、脳下垂体から分泌する成長ホルモンの量が最も大切な成長要因です。成長ホルモンの量は思春期から思春期後期にピークに達しその後は減少します。身長の伸びは遺伝的要因、食生活、生活環境などによって影響されるため個人差がありますが、通常は思春期後期の18歳くらいで止まります。この身長を最終身長といいます。
統計的にみると、子供の身長の伸びは思春期前期の10歳くらいに急速に伸びる思春期スパートと呼ばれる時期があります。また、最終身長は思春期スパートの年齢が遅いほど、いわば晩熟の子供ほど高くなる傾向があります。
■成長ホルモンは生涯働き続ける。
■思春期後期にピークに達し、以後は年齢と共に急速に低下する。
■成長ホルモンの減少により、皮膚の厚み、軟骨の縮小など全身の加齢現象が始まる。
脳下垂体から分泌する成長ホルモンの量は一日のうちでも、年齢によっても常に変化しています。成長ホルモンは、夜睡眠中と運動のあとに分泌量が高まることが知られています。寝る子は育つと言われるのは合理的なことなのです。
■成長ホルモンは睡眠中に多く分泌する。
■子供の成長、老化の予防には充分な睡眠が大切。
身長と収入の関係 背の高い男性は収入が多い
オーストラリアのシドニー大学の研究調査によると身長の高い男性は低い男性に比べて明らかに収入が多いとの結果が発表されています。その一方で、同様の観点で女性間の身長を比較した場合、女性の場合は目立って身長が高くないと、男性同様の結果が生まれてこないとの調査結果も出ています。
オーストラリアのシドニー大学及びキャンベラにあるオーストラリアン国立大学で2万人のオーストラリア人ボランティアを対象とした研究調査では、収入に対する身長及び体重のデータを収集しました。その結果、身長の高い男性は平均身長の仲間と比較し、収入の多いことが確認されました。これは、社会的ステータスの意識の違いが影響しているのではと、科学者たちは考えています。
「身長が高い者程収入が多く、これは特に男性に顕著である。例えば、平均身長177.8センチに対し、身長が182.8センチの場合、年間収入が1.5パーセント又は年間約950豪ドル(約6万2千円)の所得差が生じることになる。身長がもう5センチ高ければ、更にもう1年分の所得差が生じることになる。」とオーストラリアン国立大学エコノミストのアンドリュー・レイ氏は語りました。
「一方、女性の場合、男性の調査結果と比較した場合、統計的に明らかな結果とまでは言えない数字となっている」とも同氏は語っています。
いずれにしても、研究者の多くは平均身長よりも数センチ背が高いという実用面よりも、他の人々を見下ろすことの出来るだけの身長だと、それだけで社会的ステータスが上がることが収入格差に影響していると考えているのです。
「例えば、靴屋では、長身だとハシゴ無しで棚の上まで手が届いたり、工事現場では、スリムな労働者の方が建物内を迅速に動き回ったりすることができる。このような出来事がステータスを上げ、しいては、身長の高い者の方が尊敬を集めやすいことがより多くの収入を得ることに繋がっていると考えられる。ある意味では差別とも言える-過去の労働市場においては、身長の低い者は女性又は少数民族同様の差別扱いを受けていたことに通じるのでは」これらの要素で身長差と収入格差の関係をある程度説明できるのではとレイ博士は語っています。